2013年12月29日日曜日

デルタ型3Dプリンタ KOSSEL その2


 前回設計したデルタ型3DプリンタKOSSELの改良バージョンです。
(オリジナルのKOSSELと混同してしまうので名称は『Be KOSSEL』としました。)

▲今回改良したBe KOSSEL 3Dプリンタ




 いろいろ細かな変更点があるのですが最大の変更点としてプリントパーツを切削加工パーツに計変更しました。

▲切削加工パーツ


 3Dプリンタの部品を3Dプリンタで自己複製できるというのが3Dプリンタの魅力のひとつですが、残念ながら手元に3Dプリンタが無いためプリントパーツを作成することができません。
 3D出力サービスを利用する手もあるのですが結構な値段しますし(海外と同等の価格を謳ってるDMM.comで依頼しても3万以上かかってしまう。これこれ)、せっかくMODELAがあるのでMDX-20を使ってパーツをつくることにします。

 切削加工パーツの設計にあたっては次の条件を考慮しました。

■材料
 材料に関してはアルミにしたかったのですが、MODELAでアルミを加工するとなるとひとつの部品に10時間とかかかってしまいますし今回パーツ数も多いので加工性を考えてPOMとしました。POMなら加工時間はアルミの1/10で済みます。コストは重量あたりの単価はアルミに比べ高価ですが同形状なら重量が軽くなる分POMのほうが安くなります。

■板厚
 板厚は12mmで統一しています。剛性や意匠的に考えて12mmもいらないパーツもあれば12mm以上ほしいパーツもありますが材料の入手性や加工時間の短縮等を考えると板厚を統一することでコスト削減にもつながります。

■加工方法
 加工方法は両面加工を基本としています。やろうと思えば4面でも6面加工でもできそうですが、専用治具を作ったりその分段取りも増えますし、ましてや精度を出すとなると職人的技術が必要となるので自分にはちょっと無理そうなので上面と下面の両面加工で製作可能なデザインにします。
 ネジ穴等、精度を要求しないものは側面などに配置してますが、それらは電動ドリルとタップを使って後加工することにします。

ちなみに材料費はMDX-20の加工範囲で、全パーツ加工するには200mm x 150mm x t12mmPOM板が7枚必要になりますので1枚あたり1000円ちょっととして1万円ぐらいあればお釣りがくる感じでしょうか。加工する手間など考えると決して安くはないですが、3Dプリンタで出力したパーツに比べて精度も剛性もいいものができそうです。


 次回は実際に切削加工パーツ作りにはいりたいと思います。その他の変更点についても都度説明していきます。

つづく


3DデータはGrabcadのサイトアップしてます。必要な方どうぞ。
https://grabcad.com/library/be-kossel-delta-robot-3d-printer-1





■関連記事
・デルタ型3Dプリンタ KOSSEL その7
・デルタ型3Dプリンタ KOSSEL その6
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・デルタ型3Dプリンタ KOSSEL その5
http://modela-fan.blogspot.jp/2014/05/3d-kossel.html
・デルタ型3Dプリンタ KOSSEL その4
http://modela-fan.blogspot.jp/2014/03/3d-kossel_29.html
・デルタ型3Dプリンタ KOSSEL その3
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・デルタ型3Dプリンタ KOSSEL
http://modela-fan.blogspot.jp/2013/12/3d-kossel.html

2013年12月3日火曜日

デルタ型3Dプリンタ KOSSEL

 MODELAの話題からちと外れますが3Dプリンタについて。

■デルタ型3Dプリンタ
 
 最近何かと話題の3Dプリンタですが、海外のクラウドファンデーションでは3Dプリンタ関連のプロジェクトは次々と資金集めに成功するぐらい盛況みたいで、日本でも入手した人のレビューがちらほらみかけるようになってますね。
 ただプロジェクトによっては盛況すぎて納期が何ヶ月待ちになるってこともあるようで、入手にはしばらく時間が掛かりそうです。
 
 幸いにもキットを購入しなくてもReprap系のプロジェクトはオープンソースで仕様が公開されていますので部品さえそろえれば誰でも製作可能になってます。(やる気と根気は必要ですが) 

 そんなんで今回デルタ型の3Dプリンタの妄想をしてみました。
 外観はこんな感じです。

▲デルタ型3Dプリンタ

 Johann氏が開発したmini Kosselをベースになるべく日本で入手しやすいように若干部品を変更しています。

 本体サイズは約360mmx322mmx500mm、プリントサイズは約Φ170mmx100mmです。
▲本体設置サイズ

▲本体高さ

 ちなみにMDX-20と並べてみるとこんなイメージです。
▲MDX-20と大きさ比較
■製作コスト

 次に主要パーツとコストを算出してみます。

【フレーム関連】

▲アルミフレーム

・水平フレーム HFS3-1515-300 120円x9=1,080円
・垂直フレーム HFS3-1515-500 210円x3=630円



【駆動関連】

▲リニアガイド等


・ミニチュアリニアガイド SSELB13-320 6,770円x3=20,310円
・S2Mタイミングベルト HTBN984S2M-60  640円x3=1,920円
・モーター側タイミングプーリー HTPA20S2M060-K-P5 1,300円x3=3,900円
・アイドラ側タイミングプーリー HTPA20S2M060-A-H6 980円x3=2,940円
・無給油ブッシュ GFM-0506-04 29円x6=174円


【アーム関連】
▲ロッドエンド&カーボンロッド


・ロッドエンド  Traxxas 5347(12個入り) 1,260円x1=1,260円
・カーボンロッド OD4mm L193mm (6本分) 270x2㍍=540円

【ヘッド関連】
▲J Head Nozzle

・ヘッドノズル J Head Nozzle 約6,000円x1セット=6,000円

【モーター関連】
▲モーター等


・駆動用ステッピングモータ NEMA17 1,800円x3=5,400円
・エクストルーダー用ステッピングモータ NEMA17 5.18:1 Planetary Gearbox Stepper 約3,500円x1=3,500円
・ホットエンドファン X-FAN RDL4010S 800円x1=800円


【Zプローブ&エンドストップ関連】
▲センサー等

・マイクロフォトセンサー OMRON FPML24  960円x4=3,840円
・六角レンチ TTBR-15 97円x1=97円
・トーションばね T012B(20個入り)  1,420円x1パック=1,420円

【エクストルーダー関連】
▲ワンタッチ継手等

・ワンタッチ継手 MSCNL4-M5  140円x2=280円  
・平歯ギア T22 OD12m ID8mm(S10T05M022S0508)  1,600円x1=1,600円
・ケーブルタイ AB190-W(100本入り)  1,033円x1パック=1,033円 
・深溝玉ベアリング 634ZZ  149円x1=149円


【ねじ関連】
▲ねじナット類


・六角ナット M3(LBNR3) 8円x123=984円  
・六角穴付きボルト M3x6mm(CB3-6) 9円x123=1,107円 
・六角穴付きボルト M3x18mm(CB3-18) 54円x25=1,350円 
・ショルダーボルト D5mm, L15mm,M3x6mm(MSB5-15) 77円x4=308円 
・タッピングねじ M2x8mm(CSPPNSB-SUS-TP2-8)  30円x8=240円  
・六角穴付止めねじ M3x3mm(MSSF3-3)  106円x3=318円  
・六角穴付止めねじ M3x12mm(MSSF3-12)  106円x3=318円


【テーブル関連】
▲耐熱ガラスとテーブルホルダ


・テーブルホルダ アルミ切削外注 12,398円x3=37,194円
・耐熱ガラス板 Φ200mm x t5mm  6,615円x1=6,615円

【プリントパーツ】
▲plate_x1.stl
▲plate_x3.stl



・plate_1x.STL DMM 3D PRINT (材質:ナイロンブルー) 5,079円x1=5,079円
・plate_3x.STL DMM 3D PRINT (材質:ナイロンブルー) 9,010円x3=27,030円

 以上、合計すると137,416円になりました。
 本家のKosselのコストが600ドル以下を想定してるのと比べるとかなり割高になる感じですね。

 特に突出してるのがテーブル関連(4,3809円)とプリントパーツ(32,109円)でしょうか。
 プロの業者に外注してるのでどうしても割高になってしまいますね。
 
 だだ、アルミパーツに関してはMDX-20で加工すれば材料費+工具代としても5000円以下におさえられそうですし、一部プリントパーツに関しても設計に変更をくわえればMDX-20で加工できそうなのでコスト削減の余地はありそうです。(3Dプリンタが完成すれば自己複製できるので材料費程度ですむのですが、最初の一台目は外注でもしょうがないですね。) 


 その他に3Dプリンタとして機能させるには、制御系(基板、LCD操作パネル、電源・ケーブル等)が必要ですので、それらパーツに3万円ぐらいは見といたほうがいいでしょうか。


■まとめ
 今回の仕様ですとキット購入するより割高になってしまいましたね。
 もう少しブラッシュアップすればコスト下がりそうですし、お財布と相談しながらパーツ発注していきたいと思います。

つづく。。。


デルタ型3Dプリンタの3Dモデルは以下のサイトからダウンロードできます。
興味ある方はどうぞ。

・GrabCAD.COM
https://grabcad.com/library/kossel-ver-bettak-delta-robot-3d-printer-1

 
【関連記事】
・デルタ型3Dプリンタ KOSSEL その7
・デルタ型3Dプリンタ KOSSEL その6
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・デルタ型3Dプリンタ KOSSEL その5
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