2011年11月21日月曜日

謎の生物CurepidをMDX-20で作る

今月発売されたiModelaの特設サイトを覗いてみると、iModelaですぐつかえるサンプルデータが用意さていました。その中にiModelaの象徴的なキャラクターである謎の生物を発見。早速ダウンロードしてみました。
謎の生物。ちゃんと名前があるようでCurepidというらしい
iModelaで加工してる動画もあります。

パーツ構成はシンプルなモナカ割で裏表2部品になっており加工範囲の制限から1パーツづつ加工してるようですね。(にしても加工時間26時間ってのはちょっとかかり過ぎでは^^;)

MDX-20で2パーツ同時に切削できるようにデータを以下の様に配置換えしてます。
モナカ割してるので両面加工する必要はないのですが練習もかねて両面加工でやっています。

表面
裏面
今回の加工で使用する工具は3種類です。
・4mmラジアス(荒加工)
・R0.6mmボール(仕上げ加工)
・2mmスクエア(穴あけ)
工具交換の際にZ原点の再設定を省くためにtoolsetterを使ってセットカラーを装着しています。
左から4mmラジアスR0.6mmボール、2mmスクエア
●荒加工
4mmラジアスで荒加工します。

ケミカルウッド(軟)120mmx97mmx27.5mm(面出し済み)


加工終了(加工時間:約3時間15分)

切削屑を掃除した後
●中荒加工
R0.6mmで仕上げ加工にいきたいところですが、よくみると荒加工では工具が届かず削れてない部分があります。これを部分加工で削ります。
隙間が狭く4mmラジアスでは削れなかった部分(赤い丸)
ケミカルウッド(軟)は比較的柔らかいのでこの工程はいらないかもしれませんが、工具に負荷がかかりすぎると緊急停止したり最悪の場合エンドミルが折れますので面倒だけれどもちまちま削ります。(本来はそのへん考慮しながらモデルを配置するのがいいんでしょうが)
中荒加工終了(加工時間:約1時間34分)
●仕上げ加工
R0.6mmボールで仕上げ加工します。
仕上げ加工終了(加工時間:約3時間22分)
加工表面

●裏面加工
裏面加工の準備にXY原点用のノックピン穴をワークと捨て板に開けます。
これを行うことで正確にワークをセットすることができます。
捨て板に位置決め用の穴をあける

ワークにも位置決め用の穴をあけノックピンをセット

ワークをモデラにセット(向きに注意)
●裏面荒加工
4mmラジアスで荒加工します。
裏面は仕上げ無しで荒加工で仕上げもおこなっています。
裏面荒加工終了(加工時間:約18分)

表面裏面加工終了

パーツを切り出してゲート部分後をヤスリで整えます。

両パーツ貼りあわせて完成
加工時間合計約8時間でiModelaより18時間ほど短縮できました。
加工条件や使用工具によって加工時間は大きく変化しますのであくまでも参考ということで。
(そもそも基本性能違うし比べることがどうかとは思いますが、、、)

▲加工の様子

2011年11月10日木曜日

Toolsetter for Roland DG MDX-15/20

▲Toolsetter for Roland DG MDX-15/20

MODELAはエンドミル1本で荒取りから仕上げまで行うのが基本ですが、加工時間を短縮したいとか細かい仕上げをしたいなど用途によってエンドミルを使い分けるケースが多々あったりします。
その交換の際エンドミルの突き出しの量が変わるためZ原点をその都度再設定する必要があり、業が結構面倒だったりします。(いざ原点を設定しようにもZ原点が加工で削ってしまい原点を見失うことなんてことも)

そこで、“Toolsetter for Roland DG MDX-15/20”を使うと交換作業を(すこし)楽に行うことができるようになります。
一部のパワーユーザーには知られたテクニックですが、要は前もって使うエンドミルの突き出し量を同じにしてZ原点の再設定を省くというものです。

●パーツ構成
ベース材料はMDX-20でも加工しやすいエンプラ(POM)を使用しました。

▲ベース、ガイド、セットカラー、ノックピン
●使い方
R3mmボールエンドミルと3mmスクエアエンドミル2本を使う場合を例にします。
▲長さの違うエンドミル
上:R3mmボールエンドミル 下:3mmエンドミル


▲セットカラー

▲エンドミルにセットカラーを挿入してコレットに装着します。
(ネジはまだ締めない)

▲スピンドルユニットをToolsetterに固定します。

▲ノックピンを挿入

▲ノックピンの位置により突き出し量を調整できます。

▲Toolsetterガイドをノックピンに当て固定し
エンドミルを先端当てる。

▲ツール先端を当てた状態でコレットのネジを固定

▲セットカラーをコレット先端に密着させた状態でネジ固定

▲セットカラーのついた3mmエンドミル

続いてR3mmボールエンドミルについても同じ作業をします。
▲エンドミルをセットカラーに挿入します。

▲コレットに装着します。(まだネジは締めません)

▲エンドミル先端をガイドに当てす。

▲当てた状態でコレットのネジを固定

▲セットカラーのネジを固定

▲セットカラーにより突き出し量が同じになります

原理としては至極単純ですが、Z原点の設定が最初の1回で済みますので効果は抜群です。