2013年6月24日月曜日

祝!!世界文化遺産登録 - MODELAで富士山を削る 

 22日に富士山が世界文化遺産に登録決定しましたね。
登録までには紆余曲折あったようですが、関係当局及び担当者、それらに関わる皆様のご尽力の賜ですね。
 今回は登録決定したことを記念して(!?)モデラで富士山を削ってみることにします。

 富士山のモデルには国土地理院が無償で公開している10mメッシュ標高データ(DEM)を利用します。

●DEMデータのダウンロード

 DEMデータは国土地理院のサイトからダウンロードできます(要登録)

▽基盤地図情報ダウンロードサービス
  http://fgd.gsi.go.jp/download/


 基盤地図情報 ダウンロードサービスサイトにアクセスして『ログイン画面はこちら』をクリックします




 『ユーザーID』、『パスワード』を入力してログインします。



 必要に応じてアンケートを記入したら『次へ(アンケートの送信も自動で行います)』をクリックします。


 『基盤地図情報数値標高モデル』の『JPGIS形式』をクリックします。




 『10mメッシュ』をクリックします。





 『静岡』をクリックします。




 『5238』エリアをクリックします。




『523875』、『523876』エリアをクリックして選択状態にします。




 『▲』ボタンをクリックして上のエリアに移動して、『533805』、『533806』をクリックして選択状態にしたら『選択完了』ボタンをクリックします。




 対象ファイルをすべてダウンロードして任意の場所に保存します。
『FG-JPS-5339-06-DM10A.zip』
『FG-JPS-5339-06-DM10B.zip』
『FG-JPS-5339-75-DM10A.zip』
『FG-JPS-5339-75-DM10B.zip』
『FG-JPS-5339-76-DM10A.zip』
『FG-JPS-5339-76-DM10B.zip』
『FG-JPS-5339-05-DM10A.zip』
『FG-JPS-5339-05-DM10B.zip』



 以上で富士山のDEMデータを取得できました。


●3Dデータへの変換

 ダウンロードしたDEMデータ中身は座標値が羅列したXMLファイルになっていて、このままだとMODELAで加工できませんので加工できるよう3Dデータに変換します。

 DEMに関連したツールはフリー、有償含めてたくさんありすぎてよくわかりません。
 いろいろ調べてみるとGeograhics社のGlobal Mapper(有償$399)が使いやすそうです。
 出力サイズに制限があるようですが期間限定で体験版もあります。


▽Global MapperはBlue Marble Geographics社のサイトから購入、ダウンロードできます。
http://www.bluemarblegeo.com/products/global-mapper.php


 Global Mapperを起動したら、まず平面直角座標を設定します。
 起動画面で『Display Settings/Projection』をクリックします。


 『Configuration』ダイアログの『Projection』タブをクリックして以下のように設定して『OK』ボタンをクリックします。

     Projection:Japanese Projection System
     Zone: Japanese Plane Ⅷ



 富士山がどのゾーンに区分されているかは、国土地理院のサイトで確認できます。

▽平面直角座標系(平成十四年国土交通省告示第九号)
http://www.gsi.go.jp/LAW/heimencho.html



 次に富士山のDEMファイルを読み込みます。
 起動画面で『Open Your Own Data Files』をクリックします。



 『開く』ダイアログのファイルの種類で『JPGIS(JapaneseDEM)Files』を選択して、さきほどダウンロードしたDEMファイルをすべて選択して『開く』ボタンをクリックします。



 しばらく待つ(マシンスペックによりますが2,3分)と富士山のデータが読み込まれまれ、3Dデータに変換する準備が整いました。




 メニューの『File』→『Export』→『Export Elevation Grid Format...』をクリックします。




 『Select Export Format』ダイアログで『STL(ASCII Text or Binary)File』を選択して『OK』を押します。



 『STL Export Options』ダイアログの『Export Bounds』タブの『Draw a Box...』をクリックします。
 



 STLに出力するエリアをマウスでドラッグして指定します。


 『OK』をクリックします。


 任意の場所、ファイル名を指定して『保存(S)』をクリックします。
 (マシンスペックや出力エリアサイズによりますが十数分かかります。)


 

 これでMODELAで加工できるようになりました。
 

▲変換されたSTLファイル

今回加工に使用した3Dデータは以下のサイトで公開してます。

▽STL形式

▽Parasolid、STEP形式




●MODELAで加工

 被削材はスタイロフォーム(約190mmx140mmx40mm)です。

▲スタイロフォーム


■荒加工
  工具:4mmラジアス
  送り:15mm/s
  Z切込み:0.2mm~3mm
  加工時間:約7時間

▲荒加工終了

 加工時間が7時間と結構かかりましたが、仕上げ工具径が細いので、削り残し多くあると折れる心配あるのでチマチマけずりました。(スタイロフォームなのでそこまで心配する必要はないのかも。本来なら1,2時間コースになると思います)


■仕上げ加工
  工具:R0.75mmボール
  送り:15mm/s
  加工時間:約2時間

▲仕上げ加工終了

 少し毛羽が目立ちますが、スポンジヤスリなどで仕上げればまずまずの再現性です。

▲スポンジヤスリで仕上げ


 うーん、モデルデータを見た時から薄々は感じていたいのですが、なんというかコレジャナイ感というか迫力がいまいちです。日本一高い山だしもっと雄大でどーんとそびえ立つイメージ期待していたのですが加工した富士山は申し訳なさ程度に盛り上がってるだけに見える、、、(でも縮尺考えただいたいこんなもんなのかなぁ。)

 DEMデータやGlobalMappingの使いかたよく理解していないしデータ出力手順に間違いあったのかもしれませんがよくわからないので今回はこれでよしとします^^;

 加工中の動画です。



▲加工の様子




2013年6月2日日曜日

スピンドルモーターの交換 その1

●モデラのモーターについて
 モデラのモーターの寿命は約700時間になります。
 モーターの寿命がくると交換するわけですが、スピンドルモーターユニット(MM-40)ごと交換になるのでこれが結構な出費になります。(価格は1万5千円。実売で1万円ぐらい)
 モーター単体だけ交換できれば出費も抑えられるのでは?ということで色々検証してみることにします。
▲MM-40

 まずはMM-40に使われてるモーターを調べてみます。
 カーバーを取り外してみますと、モーターのラベルには「SAGAMI MICRO 2838N 89」と書いてあります。
 2838というのはモーターの直径28mm高さ38mmと言う意味ですかね。


▲MM-40のモーター
 ググってみると相模マイクロ株式会社(http://www.sagamimicro.co.jp/)とういう会社の製品のようです。
 MODELA専用の特注品なのか製品情報には該当型番がありません。
 とりあえず仕様を調べるため外部電源を使って検証してみることにします。
 テストはスピンドルユニットを装着した状態で行います。

▲外部電源とテスター(電流測定)

▲デジタルタコメータ(回転計)


 検証結果は以下ようになりました。
 電圧が上がれば回転数が増えるのは想像つきますが電流値は殆ど変わらないんですね。
 あとモデラの主軸回転数はメーカー公表で6500rpm(19V)となっていますが検証結果では9200rpmと仕様にくらべかなり早く回転しています。
 回転数や電流値は当然負荷によって変わるとおもうので、メーカー仕様ではモーターの最大効率時の数字を使用しているのでしょうか?


●安全機能について
 MODELAには電流を監視して過負荷を検出するとモーターへの電源遮断して停止する保護回路が組み込まれてます。この安全機能がないとモーターが焼損したり最悪火災に至る可能性もあります。この安全機能についても検証してみることにします。


 MM-40とMODELAとの接続は電流を測定する為、コネクタにワイヤー直接突っ込んで電源をとりだしてます。

▲モデラ本体側コネクタ


▲ミニDIN8P ピンアサイン

 スピンドルユニットに鉄棒をセットし、無負荷回転状態からペンチで徐々に拘束していきます。
 ちょっと乱暴なやり方ではありますが、他に方法が思いつかなかったので、、
 摩擦で熱が発生するのでアルミ板を間にはさんでます。



▲ペンチで拘束


 テスターで測定してるのであくまでも目安ですがだいたい1Aを超えたあたりで安全機能が働きモーターが停止しました。
 
▲パネルLEDが点滅してモーターが停止する

●モーターの選定

 これらの検証結果を踏まえてモーターの選定を行うわけですが、実はモデラ掲示板(http://www.tagiya.co.jp/bbs/201101010112.htm)を覗いてみるとすでに有志の方でモーター交換に成功しているようです。
 掲示板の情報によるとマブチモーターのRS-385PH、RS-365SHがそのまま交換できるとのこと。
 マブチモーターのサイト(http://www.mabuchi-motor.co.jp/ja_JP/product/p_0301.html)でデーターシートが公開されていたので確認してみます。

▲RS-385PH

▲PS-365SH

 無負荷時の電流がそれぞれ0.07~0.25Aで保護回路が働く1A以下だからとりえあず交換可能ということでいいんでしょうかね?
 モータ始動時の突入電流で保護回路が働く場合もあるようでその場合はセメント抵抗を直列に入れて調整する方法もあるようですがなるほどよくわからん状態ですので、とりあえずは販売店に上記モーターの見積もりと取り寄せをおねがいしました。


つづく。
■関連記事
・スピンドルモーターの交換 その2
http://modela-fan.blogspot.jp/2013/08/blog-post.html

・スピンドルモーターの交換 その3
http://modela-fan.blogspot.jp/2013/09/blog-post.html

・スピンドルモーターの交換 その4
http://modela-fan.blogspot.jp/2014/06/blog-post.html


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